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ひろうち92tトップ > 管理人のひとりごと > 浅貝〜土樽へ…天を伝う冒険日記


一昨年の秋、苗場に別荘を買い、そこを拠点に周囲の山々を上る登山日記をつけています。
仕事の都合上、年に1度程度の登山でありますが、趣味で登っています。
ここでは記載していませんでしたが、YAMAKEIオンラインのページに
登山記録はつけています。
(詳しくはこちら)

今回は結構なボリュームになりそうなため、こちらに付けることにしました(゜.゜)

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以前、苗場周辺の山に2回ほど登り、松手山・平標山・仙之倉山・三国山の登山を
してきました。
ただ、調べてみた限りYAMAKEIオンラインに掲載されていない登山道や
まだ行ったことのないルートもあります。
そこで、今回はそんな上ったことのないルート・山を中心に登山計画を立てました。
今年は4月より酷く腰を痛めていたため、登山など難しいかと思っていましたが、
思った以上に歩くことはできるので、実際に登ってみて無理そうなら可能なところで
下山する予定で計画しました。
今回計画したのは苗場(浅貝)から毛無山を経由して三角山の頂上を目指し、そこから
山の頂に沿って大源太山の山頂へ。そこから分岐点へと戻り、
平標山の家を通って平標山頂へ。
そして、そこからはこれまで通ったことのない土樽方面を目指します。
大まかな計画としては9:00に浅貝から入山…
16:00くらいに土樽に到達を目標に計画しました。

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↑ ここが入山の起点となる浅貝ゲレンデの入口

今回、入山の時に通った道は浅貝から三角山の頂上を目指すルートですが、
マイナーなルートらしく、YAMAKEIオンラインにもその目安タイムや登山経路マップに
情報が入っていません。
そのため、このルートの所要時間は不明ですが、これまでの登山の各経路の通過タイムを
考えると、予想時間は90分程度と予想…
元々、このルートを通ろうと思った理由に以前三国山に登山したときに三角山の頂上を
通ったのですが、この時分岐があり、浅貝方面への下山ルートがあったため、
少し気になっていたのです。


↑ 今回の登山では「正しいスタート地点」の場所から「G」の場所までの移動となります

以前、この浅貝ゲレンデへの入り口は裏山の工事が行われていたためか自由に
立ち入ることができませんでした。
そのため、そもそもこんな登山ルートがあること自体知りませんでした。



浅貝ゲレンデは平野部から山道へと続く上り坂…
傾斜は割と急で思った以上に登っていると息が切れます。
視界は開けているため、見通しは良く、まずは目指すべき毛無山の頂が見えます。
約10分で本格的な登山口が見えてきます。



ここから先は林道となり周囲の見通しはあまり利かなくなります。
登山道はかなり急で、しかも平標山のように丸太階段があったりきちんと
整備されているわけでもないケモノ道のような登山道…
初心者が登るにはきつい道かもしれません。



また、登る人がいないためか長年手入れがされていないらしくて道も藪の中に埋もれて
来ている場所もあります。
自分の背丈ほどもある藪なので、迷いそうで身の危険を感じるようなら引き返す
つもりでもいましたが、今はまだかろうじて道だった面影が残っています。
ただ、あと数年もすれば完全に藪の中に埋もれてしまうでしょうね…(゜.゜)
YAMAKEIで正式ルートとして出ていない登山ルートなので、そもそもこの道自体
忘れ去れてたルートなのかもしれません。



ちなみに、この登山ルートは「青年会新道」と呼ばれ、地元の学生たちが
浅貝から三国や平標へアクセスしやすくするために切り開いた道のようです。



個人的にはこの道はもっと手入れがされて平標や三国の登山道などと同じくらい登りやすく
なればきっと利用者も多くなると思うんですがね…(´・ω・`)
基本は林道で垂直に近い岩場を上ったり川を渡ったりする場所はないため、
登山道としては平標の登山道と同じくらいのレベルの気がします。
認知がされて手入れがされれば十分初心者でも登れる登山ルートなんですね…
平標や三国の登山口は近くにリゾートマンションやホテルなどはなく、
登山のためにはバスかマイカーで来る必要があります。
一方、浅貝ゲレンデはすぐそばにリゾートマンションやホテルなどがあるため、
登山口としては非常にアクセスしやすい場所にあります。
開拓者たちの言葉で「末永く多くの人がこの道を歩き続けることを願う」とあった通り
このまま藪に沈んでしまうのが惜しい道です。


↑ 浅貝と三角山の中間に位置する毛無山の山頂…周囲はただの森林でこれといった特徴もない



毛無山の山頂の少し先には平標の4合目と同じような大きな鉄塔があり、
上越と関東を結ぶ大きな送電網になっているようです。
この大きな送電線は山の間を縫うように張り巡らされているようですね…(゜.゜)



登山口に入ってから約80分で三角山の頂上に到着…^^
ここから平標と三国の方向に分かれています。
天気はきれいに晴れており、よき登山日和でした。
ここまでの登山は至って順調…のちに不幸が幾つも起きることは想定して
いませんでしたが…


↑↓ 三角山頂上からの周囲の景色


5分ほどの休憩ののち、すぐに次の目的地の大源太山へと向かいます。



大源太山への分岐は三角山からだと5分ほどですぐに到着します。
前回、三国に行った時も通った道ですが、あの時は体力にも時間にも余裕がなかったため、
登らずに山の家の方に戻ってすぐに下山しましたが、今回はまだ時間的にも余裕がある
ため、前回行くことのなかった山頂への道を進みます。



大源太山も浅貝の青年会新道と同じで長いこと手入れのされていない藪道…
深い藪に埋もれていてやはり遭難の不安を感じるほどの道でした。
道なき道をかき分けて進み、どうにか頂上に到着。
個人的にこの藪道の怖い理由のもう1つの理由として足元が見えないので
ちゃんとした地面があるのかの確かめようがないのです。
そのため、通る時には細心の注意を払い、ゆっくりと進みます。



大源太山の山頂は半径3mくらいの狭いスペースに山頂の標識が建てられています。
周囲は人の気配全くなし。
平標から三国に向かう人も非常に少ないですが、
そもそもこっちには来る人がいないのでしょうね…
ちなみに、川古方面というのも出ていましたが、正直なところこれ以上の深追いは
危険と感じました。
大源太から先の道はYAMAKEIオンラインにも出ていないルートのため、
深い藪に埋もれている可能性も高く、ここまで登ってくるのも相当疲れるため、
「ここで行き止まり」と考えた方が賢明と感じるのです。



↑ 大源太山頂からの周囲の景色

まずはこれで以前残したフラグを回収したので、平標山の家の方へ…



分岐点からだと約30〜40分ほど。
この辺りは周囲が開けている場所が多く、眺めはとても良いです^^
晴れていたので、特によかったですね^^




山の家の到着後、まずは昼食休憩…
周囲には年配の方たちの登山者が大勢来ていました。
平標は比較的登りやすい山なので、山の家〜平標山頂の道は非常に人が通りやすいのです。
(ほとんどの人は登山中マスクをしていないのでコロナ感染リスクはある)
しかし、ここで大事なものがなくなっていることに気付きます(*´Д`)
三角山頂上にいた時には腕に付けていたはずの歩数計付きスマートウォッチが
無くなっていたのです。
落とした場所はおそらく大源太山の登山道…
あの時計は元々リュックを背負うときにバンドに爪が当たるだけで外れてしまう
ような安物のゴムバンドだったんですが、それが不運にも藪道をかき分けて進む間に
外れてしまったのだと思います(*´Д`)
あの深い藪道では見つけ出す方が困難なため、あきらめて先に進むことに…


↑ これがその無くしたスマートウォッチ…




気を取り直し、平標の山頂へと進みます。
ここは本当に手入れがしっかりとされており、木道なのでたとえ周囲が霧に包まれていても
道に迷う心配はほぼありません。
…そんな意味でこの道は本当に初心者向けで親切な登山道です^^
ただ、木道とは言えどもずっと連続して登り続けるため、数百メートル登ってきた足には
結構堪えます。
何度か腰を下ろしながら頂上を目指します。


↑ 木道にはところどころ休憩できるスペースもあるので、そこで息を付くことが可能。見晴らしも良い


↑ 頂上からは苗場の方もはるか遠くに見下ろせる

頂上に到着すると、結構足に来てます。
ただ、登りと下りで足の負担のかかる場所が違うため、とりあえず大きなのぼりが
終わったことでホッとします^^
(登りは主に臀部と腿。下りは主に膝関節とつま先)
15分ほど頂上で休憩したのち下りへ…



周囲に人影はほとんどなく、静かな山頂…
平標山頂は南北と西の3つの下山ルートと東の仙の倉への登山ルートに分かれています。
今回来たルートは南側の山の家からのルートになりますが、以前西の松手山のルートも
既に通って知っているため、通ったことのない北側の土樽方面への下山ルートを選びます。



土樽への登山道は徒歩275分という相当に長い登山道…
しかも、最初からいきなり急な下り斜面から始まります。
約200mくらい一気に下ったでしょうか…
山頂の方を振り返ると、周囲が雲に覆われてきています。
この辺りはかなりの落雷エリア…不安もあるので下山を急ぐことにします。



山頂の近くには開けた盆地のような場所があり、苗場山山頂のような湿地帯と
なっているようです。
この辺りは晴れてると大変眺めは良いものですね^^
四方がほぼ開けた状態になっています。




湿地帯エリアを抜けると、いよいよ本格的な下り…
周囲は崖と言えるほど急斜面…
しかも、周囲はばっちり開けているため、目を下に向けると吸い込まれてしまいそうな
気分になります。
もろ急斜面なので当然足へのダメージも大きく、膝関節はこの辺りから
悲鳴を上げ始めてます。
途中頂上近くで団体さんに一度出会った他は人と会う気配もなし。
そもそも午後2時を過ぎていたため、もう山頂を目指すような人は
ほとんどいないのでしょう…
(山は暗くなる前に下山するものなので)
下るうちに天の頂のような山道から林道へ…



下山を開始してから約1時間半…
想定外のアクシデントが起きました。
ぬかるんでた腐葉土の道で足を滑らせ、滑り落ちるような体勢から重心の関係で
転がり落ちるように登山道を外れて急斜面の森林の中を20〜30mずっと
転がり落ちたのです。
ゴロゴロと転げ落ちる間にリュックも落とし、完全に森林の奥深くへ。
突然のことであったため、両足が攣り、さらに傾斜が急なため普通に登ろうとしても
泥と落ち葉で足が滑って這い上がることもできません。
木の根っこと幹を掴んで腕の力だけで約30分かけてリュックも回収して元の道に
戻りましたが、足だけでなく、腕もガタガタの状態…
とりあえず、無事に登山道に戻れたもののまだ徒歩2時間以上かかるような林道の途中…
しかも同伴者なし。もちろん携帯は圏外です。
今度踏み外すと間違いなく生命の危機なので体勢を低くし、枝などを掴みながら
慎重に下りました。



とりあえず、無事に徒渉点まで下り、急な下りはなくなりました。
ただ、まだ土樽までは徒歩2時間という距離…
しかも、想定外の問題はまだあり…



どうやら急流の川を渡らなければならないらしい…
水深は膝上くらいの深さで、一応ロープもありますが靴を脱いで裸足になると
川の水流のせいもあり石に生えたコケがツルツルと滑り思うように進めません。
完全に転倒ではないものの何度も転ぶような体勢になり、服はずぶ濡れ…
何とか渡り終えたものの先の山道での泥といい、川渡といいかなり悲惨な状況と
なっておりました。(*´Д`)
しかもこの後も登山道の道中に小川が流れている場所が度々あり足を滑らせて
転んだりしないか不安になった場所が度々ありました。
こういった場所で転ぶと骨折とか割とありますからね…
こういうのは地図だけではわからない情報なので、実際に足を運んでみて感触を
得ることになるのですが、下山ルートとして選んでしまった場合、
「きつそうだから引き返そう」とかいう発想ができなくなってしまうため、
完全に計画にも問題がありました。



死に物狂いで登山口まで降りてきたのは徒渉点から約1時間後のことでした。
ここから先は車の立ち入ることもできる山間道。
ただし、土樽まで歩くとなればまだ1時間くらいはかかるような場所…
ただ、山道の林道がなくなっただけでもかなり気分的には楽になります^^



しかも、幸運だったことにこの付近に川釣りに車で来ていた方がいて、
越後中里の駅まで車で乗せてってくださいました(*´▽`*)
正直体中ボロボロだったため、非常に助かりました。^^



中里で車から降りたとたん、これまでなかったはずの足の関節や腿の筋肉などが
激しい筋肉痛に…
まともに歩行も難しく、手すりにつかまりながら足を引きずって帰宅の途へと付きました。
たとえ登山に慣れていたとしても一人で登ることはリスクが高いことを改めて
思い知らされた今回の登山となりました。



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